2012年08月27日

◆映画『戦争と一人の女』

 湯布院映画祭が終わりました。(アーゴスはパン販売で参加させていただきました。)
昨日のクロージング映画「戦争と一人の女」を観る事が出来ました。

製作は映画評論家の寺脇研さん。 今の日本映画界の薄っぺらさに苛立ちを感じ「観たい映画がないのなら、自分達の観たい映画を自力で作ればいいじゃないか」と立ち上がり製作された映画です。
私も映画は大好きなのですが、寺脇さんと同じで(最近の人気タレント出演・本も練り上げられず浅く見える所が嫌で)日本映画はほとんど観ずにいました。
けれど、この映画のお金の為じゃない、映画好きが映画好きの為に作った映画だ・・・という香りがプンプンする所に惹かれてとても楽しみにしていました。

観終わった感想は「やったー!」。 今までの映画が目を瞑ったり薄目で表現してきた事を、ガチっと目を見開いて映し出している映画です。好き嫌い、賛否両論あると思いますが、こんなになぁなぁ感のない潔い日本映画は初めてです。
永瀬正敏さん、江口のりこさん、村上淳さんの細やかな表現も素晴らしかったです。
「小説家」「淫売婦」「犯罪者」と普通じゃない役なのに共感出来るのは、脚本の力と役者の力。
柄本明さんも、ずる賢さと弱さを持つ人物を「柄本明」しか出来ない軽さで好演されています。
井上淳一監督は自分は何もしていない演出もほとんどしていない、とおっしゃっていましたが、「あぁ、本を書く方が撮った映画だなぁ(監督はシナリオライターでもある)」という『間』が随所にあって、鑑賞中に余韻を感じられる珍しい映画でした。(普段は観終わって余韻を感じるので)


終了後のシンポジウムも、作り手の裏話・映画ファンの直球な意見(思いっきり否定される方もいて、好意見ばかりじゃない所が面白かったです)のやり取り等、楽しむ事が出来ました。
戦争の不条理さがテーマだし、偏った淫楽場面も多いので、公開される映画館も限られてくるかもしれないですが、ぜひ1人でも多くの「男」と「女」に観て欲しい映画です。

>>>観た人にだけしかわかりませんが・・・。
「女」がお米を研ぎながら泣くシーン。あそこ、普通はもう少し長くしますよね~。
でも、あの短さが監督と製作の方々のセンスを感じて好きでした。
行間が感じられるのに間延びしないってとっても難しい事ですよね。



同じカテゴリー(おでかけ)の記事画像
映画鑑賞♪
薔薇とアーゴス
薔薇の香り、大神ファームへ
最近の出来事
ポーランドの織物♪
こもれびとそよ風とマルシェ☆☆
同じカテゴリー(おでかけ)の記事
 映画鑑賞♪ (2015-01-16 10:31)
 薔薇とアーゴス (2014-05-28 11:10)
 薔薇の香り、大神ファームへ (2014-05-24 21:38)
 最近の出来事 (2013-12-20 17:46)
 ポーランドの織物♪ (2013-10-10 10:14)
 こもれびとそよ風とマルシェ☆☆ (2013-07-24 12:37)

Posted by  アーゴス at 18:46 │おでかけ